ストーカーは、おもに恋愛感情によって特定の人につきまとうことをいいます。
性別は問いませんが、多くの事例は男性から、好意を持った女性へのつきまといです。
ストーカー行為は刑法に列挙される犯罪に該当しづらいため、摘発されにくかった歴史があります。現在はストーカー規制法により、つきまとい行為などすると、わりあい簡単に逮捕されます。
その後の流れを見ていきましょう。
ストーカー規制法について
刑法に記載されている多くの刑罰は、当然悪いこととされる「自然犯」ですが、ストーカー規制法違反は、法律が犯罪の内容を決める「法定犯」です。
とはいえ、ストーカーに対する世間の目は大変厳しいもの。非難される度合は自然犯をむしろ上回るでしょう。
法律をおおまかに確認します。
物理的な接近だけでなくSNSの利用もつきまといになる
交際を求め、あるいは断られた腹いせにつきまとうとストーカー行為。これは世間の共通認識になっています。執拗な電話も同様です。
ネット時代なので、物理的なつきまとい以外もストーカー行為になります。
メールを執拗に送り付ける、SNSで名誉を損なう、卑猥な画像を投稿するなどの行為です。
社会的に許容されない行為ばかりですが、ストーカーの当事者は気付かないので、行為がエスカレートするのです。
冷静になれないと、犯罪加害者になりますし、逮捕もあります。
ストーカー規制法犯の法定刑は2種類ある
ストーカー規制法違反の罰則は、次の通りです。
・1年以下の懲役または100万円以下の罰金
この法律に関してはもう一種類法定刑があります。
ストーカー行為により、公安委員会から「禁止命令」を出されていた人に対する刑罰は重くなります。こうです。
・2年以下の懲役または200万円以下の罰金
ストーカー規制法違反で逮捕されたら
ストーカー行為は一度目では取り締まれません。ですが反復しておこなうようだと、逮捕もあります。
警官が被害者の訴えを受けて巡回し、現場に出くわしたという場合、現行犯での逮捕もあります。
初犯の場合、逮捕後に禁止命令も出されることが多いでしょう。
逮捕後48時間は警察の取り調べが、その後24時間は検察の取り調べがあります。
取り調べ時間以外は留置場に入れられます。
検察において「勾留」決定が出されると、さらに最大20日間は外に出られません。
ストーカーによる逮捕は釈放されづらい
逮捕というものは、犯罪行為があった際に必ず行われるものではありません。
逮捕に当たっては、犯人の逃走や証拠隠滅を防ぐという、明確な必要性が求められるのです。
この点、ストーカー行為の場合は、逮捕する必要性が揃っていることが多いです。
釈放したら加害者がすぐ、被害者の元に行く可能性は明らかです。被害者を守る意味でも、安易な釈放はできません。
それから、特に禁止命令を受けているストーカーの場合、冤罪・誤認逮捕の可能性が低いということもいえます。
犯罪者の人権も大事ですが、ストーカーの場合、被害者の人権のほうがずっと大事なので仕方ないでしょう。
裁判まで進む可能性も高い
ストーカー犯の場合、つきまといをやめるチャンスがいくらでもあったのに、そうできなかったわけです。
世間的には、非常に悪質だと映ります。これは裁判できちんと処断しようという、検察の判断にもつながります。
つまり起訴されて裁判まで進みます。
初犯なら、実刑判決で刑務所に行くまでにはならないにしても、執行猶予付きの懲役刑となることも十分考えられます。
前科者として人生を棒に振らないよう、冷静になりたいものです。
真摯な反省と、被害者に対する示談が最後の方法
ストーカー犯として逮捕までされたら有罪かというと、すべてがそうなるわけではありません。
検察が不起訴にする、つまり裁判に掛からず、前科者にならなくて済む道もあります。
そのために必要なのは、真摯な反省と、留置場に入れられて動けない本人に代わっての、刑事弁護人(弁護士)の活躍です。
まず、被害者に二度と近づかないことを誓うこと。
そしてその意思を弁護人経由で被害者に伝えてもらい、示談をすることです。
被害者感情の大きな事件であり、示談金を支払う意思を見せても、そう簡単に決着するとは限りません。
そこは弁護人次第であり、加害者を刑務所に送り込むことだけが解決方法ではないことを入念に説明してもらう必要があります。
再犯は論外
不起訴の決定が出れば捜査はおしまいですから釈放されます。しかしこれは示談のおかげであり、犯罪事実が消滅したわけではありません。
ストーカー心理からすると、「こんな目に遭ったのもあいつのせいだ」と、被害者にさっそく福州市に行きかねませんが、もちろんそんなことをしたらただではすみません。
新たな罪状により、今度は刑務所行きの可能性も大きいでしょう。
まとめ・ストーカー規制法違反で逮捕の際は弁護士に相談を
ストーカー加害で、不起訴に持ち込むには被害者との示談が必須です。
ですから、逮捕されたら、あるいはされそうなら弁護士に相談しましょう。
もちろん、もっとも大事なのは、頭を冷やして、自分の行為を反省することです。